ラクシアにおける奴隷制
SW2.0で扱われている世界は「ラクシア」と呼ばれる。この世界は人間、ドワーフ、エルフ等の人族と、ゴブリン等の蛮族が神世の時代から対立している。
さて、蛮族のモンスター・データを見てみよう。するとコボルドのデータに目が行く。何故か？それは、弱い種族であり、蛮族内で虐げられていて、誰に対しても従順で、交易共通語をしゃべれるからだ。という事で、こいつを奴隷として使わない手はない。
コボルドを奴隷にする利点は２つある。それは「安価な労働力の確保」と「蛮族戦力の低下*1」だ。まぁ、コボルドの説明書きを見て「普通に受け入れればいい」と考えるかもしれないが、所詮は蛮族なので心を許せないという事と、奴隷でなければこき使うのに支障が出るからだ。
では、どうやってコボルドを奴隷化するのか。
まず、行われる事は「コボルド狩り」だろう。蛮族が人族の村を襲ったりすればその討伐を行う事は冒険者の役目だ。で、そこにコボルドがいた場合にはコボルド以外の蛮族を殲滅する。従順なコボルド以外はどうせ使い物にならないからね。
で、残ったコボルドは捕獲。この時は威圧せず「君達を解放しに来た」的な事を言って言いくるめる。そして、奴隷商人に売る。奴隷商人は貴族の所有する農園等にコボルド達を売るわけだ。
さて、売られたコボルドの扱いをどうするか。まずは自分たちより待遇のいい人間を見せないために、農園の労働者はコボルドのみだ。そして、日の出から深夜まで多少の休憩を挟みながら１日18時間位働かせればいい。食料は充分な料を与えれば残飯で構わない。こう扱うとコボルドはどう言うか。おそらく、
「人間優しい。休ませてくれる。寝かせてくれる。お腹いっぱいご飯くれる。ちゃんと仕事すれば殴らない」
と言って喜ぶだろう。凶暴で知能が低い蛮族共の中ではコボルドは虐げられていると思われる。それこそ「機嫌が悪いボガードが憂さ晴らしに殴り殺す」なんて日常茶飯事だろう。なので、人族視点では厳しい労働環境でもコボルドには楽園であるに違いない*2。つまり、奴隷が喜んで働くという理想的な奴隷制度が確立できるのだ。
さて、コボルドが人族社会が楽園だと充分に理解したら、今度はプロパガンダを行う。方法としては、コボルドを解放してコボルド仲間を集めさせるのだ。コボルド達には「君達の仲間もこの楽園に呼んでやらないか？」的な事を言う。で、連れてくればもっといい食べ物を与えてやると言ってやれば喜んでやるだろう。あとは行動を強制させる魔法をかけておけば万全だ*3。ちなみに、魔法をかけるのは金さえ払えばやってくれるだろう。一番「人道に背く」とか言いそうな宗教団体も率先して手伝ってくれる*4だろうから、他の人間が人類の敵蛮族に対して何かするのを金で解決しないわけがない。
こうして自分達のいた集団に帰ったコボルドは仲間のコボルドを連れて人族の都市に帰ってくる。行動制約魔法をかけて人族に攻撃できなくしておけば、帰ってこなくても敵の戦力増強にはならない。行動制約魔法を解除される可能性はゼロではないが、旧ソード・ワールドのデータと同じだとすれば行動制約魔法は呪いに属するだろう。そうすると「リムーブ・カース」が必要になるのだが、少なくとも現在発表されている蛮族の中には「リムーブ・カース」を使える者はいない。また、「リムーブ・カース」を使える蛮族が追加されたとしても、そんな奴は少数しなかいないはずだ*5。したがって、数匹のコボルドが解除されても問題ない。
こうやってコボルドは新たなコボルドを連れて人族の元に集まる。労働力を確保し、敵戦力を削ぎ、奴隷が喜んで働く。どう考えても奴隷制を導入しない理由がない。しかも俺や俺のゲーム仲間なんかが考えつく様な事なので、ラクシアの人族が気付かないわけがなかろう。
ちなみに、怪我をして労働力にならなくなったコボルドは隔離した後で処分。死体は「クリエイト・アンデッド」の素材として高レベルのコンジャラーに安価で買い取って貰う*6。酷いとか思うかも知れないが、走れなくなった競走馬を馬肉に変えるのと同じだ。蛮族は基本的に人間の敵なので情けをかける必要もないだろう。
いや〜、ホントSW2.0と奴隷制度は相性がいいなぁ。考えれば考えるほど隙がないし。この話、ワールドデザインをした３人はどう考えるだろう？機会があったら是非聞いてみたいものだ。JGCでSNE主催のイベントに参加すれば話す機会があるかもね。そう考えるとJGCが楽しみでしょうがないな。（笑）
