死刑判決

 山口県光市の母子殺害事件の控訴審判決において被告人に死刑判決が下されたと、朝のニュースでやっていた*1。で、色んな人のBlogでもこの事について触れられている。今回の判決が波紋を投げかけている要因は「当時加害者は未成年だった」事と「裁判員制度導入が近づく中での死刑判決」という事のようだ。
 ちなみに、俺の見解は「当然じゃねぇの」かな。
 俺は「受けた物は、恩でも仇(あだ)でも倍返し」と思っている*2。なので、人を殺したら死刑になるのは当然。むしろ絞首刑なんて楽な死に方をする事すら疑問を覚える。
 ネットと等を見ると「死刑は残酷であり、受刑者の人権を無視している」という死刑廃止派の人達の意見を見る事があるが、こういう事を言う人達って罪もない被害者を自分勝手な都合で殺害する事がいかに残酷で人権を無視した行動かって分かってるのだろうか?そして、愛する者を理不尽に殺されても同じ事を言っていられるのだろうか?俺としては他人の人権を踏みにじる様な奴を人間扱いする必要はないと思うよ。たしかに人権てのは人間が生まれながらにして持つ権利ではあり、本来不可侵の権利ではある。が、他人の人権を無視するなら自分の人権も無視されても仕方ないよな。人の権利を無視しておいて自分の権利は主張するなんてのはおこがましいにも程があるとは思いません?死刑廃止派の話の多くは被害者の人権についてが欠落しているのだが、それはよくない。犯罪者の人権を云々という議論をする前に、被害者の人権をもっと考えないといけないと思う。
 あと、今回の裁判でも議論されている情状酌量の基準てのも変だなぁと。というのも、反省したら減刑とか、未成年だから減刑とか、心身喪失状態だから減刑ってのはどうかなぁと思ったりするわけだ。
 まず、反省していようがしていまいが行われた犯罪は変わらない。確かに反省すれば更生するって事もあるが、更生させるのにも限度があるよ。盗みの初犯くらいならば被害の補填*3をした上での更生ってのはありだとは思う。でも、殺人は更生したところで生き返るわけじゃないからねぇ。個人的には、更生は執行猶予がつく程度*4までの犯罪に残された道かなぁと。逆に「悪い事しても反省すればいい」って考え方が出来上がるのが問題だろう*5
 未成年だから減刑ってのもどうかね。未成年はちゃんと判断できないなんて事を言う人がいる。確かに子供は幼い。だが、バカではない。幼稚園児だってやっていい事と悪い事の区別はつく。少なくとも俺は小学校に上がる頃には「これをやったら悲しむだろうからやらない」という想像力は持っていた*6。むしろ未成年の判断が未熟だという人間は、未成年を一人の人間として扱っていない気がする。もしそうなら、それは非常に差別的で重大な人権無視だ。また、未成年には未来があるからという意見もあるが、殺害という他人の未来を奪う行為をしておいて自分の未来をどうこういう資格はないよなぁ。
 最後に心神喪失状態。これは確かに難しい問題だ。でもそれは自分でコントロールできるかできないかってところにかかっていると思う。例えば洗脳やマインドコントロール下にある場合や重度の精神病は自分ではコントロールできない。しかし、精神病も病気によりはするが軽度なら通常の倫理観を保てるわけだし、泥酔や麻薬等での心神喪失はそもそも自分が悪い場合が多いので情状酌量するのもどうかなぁという気もする*7。また、例え心神喪失状態で行った犯行でも、被害者や遺族の人権を考慮すると、無罪にするまではやりすぎなんじゃないかと。
 まぁ、世の中には人を殺しても執行猶予がついた判例もある。確かに人を殺しておいて執行猶予が付く程度の刑罰ってのは一見おかしくも見れるが、判例を詳しく見れば充分に理解できるからねぇ*8。その程度の区別くらいは俺にもできるよ。
 あと、法務大臣が死刑執行を拒否する件ね。あれは完全なる職務放棄による職務怠慢であり、即刻更迭すべきだ。死刑のある国家での法務大臣の職務には死刑執行の許可は含まれており、それが嫌なら法務大臣になる事自体を断らなくてはならないだろう。また、過去の法務大臣で拒否の理由に「残酷だから」的な発言をした人もいたが、いつ死刑になるかと怯える日々を死刑囚が味わうのは残酷じゃないとでも言うのだろうか。
 あとねぇ、日本てそもそも刑罰自体が軽いと思うんだよね。ワーキングプアになっている人より刑務所の生活の方がいいくらいなので、刑務所に入りたいがために犯罪を犯す者もいる。また、死刑が比較的楽な死に方だから「人を殺して死刑になりたかった」とか言う輩が出てくるんだと思う*9。なので刑罰はもっと苛烈にしてもいい。刑罰には「見せしめ」の意味合いもあるわけだしね。
 例えば刑務所。これは江戸時代の牢屋並みの環境に戻してもいいかなぁと。ちなみに、江戸時代の牢屋は半畳分のスペースに一日中正座。不衛生な上に病気であろうとその状態を強いられるため、伝染率も高い。また、そんな環境では獄死する者も多いため、夜中に受刑者同士で「間引き」が行われたりした。こんな感じの所になんて普通は入りたがらないよね*10。確かに人権無視ではあるのだが、牢屋は他人の人権を踏みにじった者の入る場所。なら人権を踏みにじられても文句は言えまい。
 あとは死刑ね。絞首刑等の楽な死に方*11だと死刑になりたがる者も出てくる。しかし、これが長時間苦痛を味わうならば話は別だろう。死刑にも段階を付けて、比較的軽い死刑なら引裂刑*12、もっと重い死刑なら解体刑*13、最も重い死刑には串刺刑*14なんて具合にね。これを公民の授業にでも勉強させて教育の場で徹底。あとは公開処刑にすれば見せしめ効果は非常に高まる。
 まぁ、刑罰については極論を書いたが、誰もが「絶対刑務所になんか入りたくない」とか「死刑なんて考えただけで吐きそうだ」と思うくらいにはしないと。少なくとも、今の刑罰の抑止効果は大した事ないのが問題だと思う。
 とまぁ、「基本は倍返し」という考え方の俺はこんな風に思うわけだ。基本の考え方が違うと全く違う意見になるだろうけど、それはそれで聞いてみた気はする。あぁ、でもコメントにズラズラ書くのはなしね。長々とコメント書かれるのは荒らされてるみたいで嫌だし、第一顔を付き合わせていない相手となんか議論したくないのでね*15
 まぁ、俺も死刑には問題点があるとは思うよ。もっとも、それは受刑者の人権云々なんて話ではなく、国が生殺与奪の権利を持ってしまう事にある。現在の法律は殺人でも犯さなければ死刑になる事はないが、変な法律ができると危険だからねぇ。「政府に否定的な意見を述べただけで反逆罪で死刑」って世の中はあり得る話だし*16。だったら死刑を廃止した方がいいって話は分からないでもない。「死刑の定義を明確にすればいい」って話もないわけではないが、定義を曲解する事なんていくらでもできるからね。
 あとは「冤罪による死刑」かな。冤罪によって死刑にされるなんて事はあってはならないのだが、起こらないとは限らない。実際、警察が面子のために無罪の証拠を握り潰すなんて事はあり得るわけだし、現代日本でも冤罪は起こっているからねぇ*17
 「国の生殺与奪」と「冤罪」という問題を考えると、死刑問題は難しいと言える。確かにそれは無視できない事だしねぇ。でもまぁ、本来その議論は立法機関である国会でやるべき事だ。そう考えると、政争なんて事をやる前に国会でやるべき事は色々あるとは思う。

*1:http://www.asahi.com/national/update/0422/OSK200804220110.html

*2:ハムラビ法典程度じゃ生ぬるい。あれは基本的に等価報復だからね

*3:ちなみに、刑事事件であっても、民事裁判を起こして弁償させたり慰謝料を取ったりできる

*4:「3年以下の懲役もしくは禁錮」または「20万円以下の罰金」の刑罰の時でないと執行猶予は付かない

*5:まぁ、そういう考えを持つ者はそもそも反省などしないのだが、演技なんていくらでもできるからね

*6:そういう記憶があるのですよ

*7:まぁ、泥酔したのも「強要されて」などの状況があったり、薬物中毒も知らないうちに中毒にされていた被害者って事もあるのだが、それは「コントロールできない」のパターンかなぁと

*8:再犯性も非常に低いだろうし

*9:つい最近でも陸上自衛隊の一等陸士がこの手の理由でタクシー運転手を殺害したよね

*10:当然ながら牢名主制度はなし。そんな特権与えたら罰にならない

*11:大抵は頸椎等を損傷し、一瞬で死ぬ

*12:四肢を引きちぎる処刑方法。確かに苦しい死に方だが、数分で死ねる

*13:刃物で肉体を切り刻んでいく処刑方法。苦痛に満ちた処刑方法だが、普通は1日以内に死ねる

*14:股の間から杭を打ち付け、50cm位入った所で杭を地面に立てる。あとは自重で刺さっていく。杭の先端に丸みを付けたり杭の太さを調節すると3日以上苦しんでも死ねない何て事もあるらしい。ちなみに、吸血鬼ドラキュラのモデルとして知られるヴラド3世は串刺刑で有名だ

*15:面と向かって物を言わないなら聞く気にもならない

*16:まぁ、これには言論の自由って問題も絡んでくるけど

*17:分かりやすいところでは痴漢冤罪だね