神は他にいる

 ネット・ニュースにはこんな記事もあった。

「神だと思う洋楽アーティスト」ランキング、レコチョク1位はガガに。
http://mainichi.jp/select/biz/prtimes_release/archive/2011/05/20/000000054.000002747.html


 違う、違うよ。
 確かにレディーガガ氏は悪くはない。パフォーマンスもファンサービスもチャリティ活動なんかも悪くない。だが、神?違うね。


音楽の神が人間に宿ったのはThe BeatlesQueenだ!


 俺がビートルズを初めてちゃんと聞いたのは中学生の頃だった。この頃は「とりあず音楽について片っ端から聞いてみよう」と思ってた時期で、それこそクラシックからパンクまであらゆる音楽を貪っていた。で、そこで出会ったのがビートルズ。初めて聴いた時は「とりあえず有名所から」って事で初期に聴いた。そして、全くその良さが分からなかった。何故なら、大した演奏技術ではなかったからだ。その時は何故世界中でトップと言われているのか分からなかった。そして、2年位音楽を貪った後に聴き直して思ったよ、「こいつはスゲェ」と。
 いやね、色々聴いた後に改めて聴くと凄いんですよ、ビートルズは。確かに彼等よりも上手い人達は山の様にいる。しかし、ビートルズサウンドは彼等だから作れたと言える。いやむしろ、彼等じゃないと作れなかったんだよね。それに気付いてから現在まで、ビートルズは俺の中で1位を争うバンドの一つだ。俺が生まれたのってビートルズが解散してからなんだぜ。解散した後に生まれたヤツを引きつけて離さないバンドって物凄くね?
 そしてクィーンですよ。このバンドはどれも凄いんだが、"Made in Heaven*1"という最後のアルバムが超凄い。特に、"It's A Beautiful Day"を歌うフレディー・マーキュリー氏の歌声を初めて聴いた時には、脳の中心の中の中心をスレッジハンマーのフルスイングでぶん殴られたくらいの衝撃を受けた覚えがある。このアルバムをレコーディングした頃のフレディー・マーキュリー氏は死を目前にした闘病生活だった。それで出来上がったこれは、正に「今までの歌手人生を全て燃やし尽くした」と言えるアルバムだ。クィーンの曲はどれも評価すべき曲と言えるのだが、このアルバムは特に凄い。最高設備の音響施設でこのアルバムを聴く対価が「苦痛に満ちた死」でもむしろ安いと思える。それ位凄いアルバムだよ。
 とまぁ、このランキングを見て「違う、違うよ。音楽の神がいるのはそこじゃないんだよ」と、久し振りに音楽聴きの魂が目を覚ました。