主人公はPC達

 TRPGのシナリオ作りでは「プレイヤーを納得させる」事が大切だと書いてきた。で、プレイヤーとして納得いかない事の一つに


NPCがPCより活躍する」


って物がある。
 世の中にはPCと同等以上の能力を持ったNPCを活躍させるシナリオを作る人がいる。だが、これは良くない。TRPGの主人公はあくまでもPC達だ。NPCが活躍したりNPCが事件を解決してしまうシナリオだと、プレイヤー達は「俺達いらないじゃん」と感じてしまう。そう感じた上でセッションを楽しめるプレイヤーはほぼ皆無だ。なので、NPCを活躍させるのは良くない。
 もっとも、キャンペーンをやっていると重要キャラクターとして強力なNPCを協力者として出したい時もある。そういう場合には「強力NPCをフレーバー化する」という手法を取ると良い。例えば、情報収集能力に長けたNPCなら「彼が情報収集を手伝ってくれていないならもっと情報収集に時間がかかっている」とすればいい。戦闘能力のあるNPCなら「彼がレッサー・デーモン3体と戦ってくれているから、残りの2体を君達が倒してくれ」とかってするわけだ。こうすればNPCの強さを示しながらPCを活躍させられる。
 NPCをフレーバー化すれば「NPCも頑張っているが、PC達がいないと解決できない」という演出ができ、PCの出番を奪ってしまう事がない。要は、NPCがフレーバーとして活躍している事で「通常より困難な事件を強力なNPCの助けもあって何とか解決した」と演出されているだけで、PC達が対応しているのは「普通のシナリオ」なのだ。
 強力なNPCを出す問題点は「PCの出番を奪う」事と「強力NPCを便利使いされる*1」事の2点だ。しかし、フレーバー化する事でその問題点は解消できる。
 「TRPGの主人公はPC達」という鉄則を崩さないようにするためには「NPCを活躍させない。活躍しそうなNPCはフレーバー化する」という手法、つまり「NPCをPC達と同じ土俵に上げない」ってのがお奨めだ。

*1:自分が積極的に動かずに利益だけ得ようとするプレイヤーがいた場合には使い潰される