深淵 第二版

 8月にゲーム仲間の露茶氏に「サモンたいぺい」の呪文でコンベンション「ぽっぷこん」に召喚され*1、その打ち上げの席で「『深淵*2』遊ぼうぜ」という話になった。そして本日セッションを行う。という事で、GMは俺で今回のPCは以下の通り。

ルネ・ヴィクトワール・エストレ
プレイヤーは西明寺弥生氏。13歳。女性。テンプレートは「若き姫君」。運命は「08:呪われた出自/指輪」と「97:騎士の誓い」。
キュプロ(本名:カーモド・サンジル)
プレイヤーはハリハリ氏。35歳。男性。テンプレートは「醜悪なる従者」。運命は「19:醜悪」と「89:近づく気配」。
ゲルト・ネッツァー
プレイヤーはミルトン氏。テンプレートは「移動判事」。運命は「64:探し求める仇」と「91:運命の介添人」。


 今回は「渦型」のセッションを行う。「渦型」と言うのは「プレイヤーがテンプレートを選んで運命を決め、それに合わせてシナリオを構築する」というセッション形式だ。要するに「シナリオはその場で作るのでシナリオを用意して行かなくてもいい」というGM慣れしていると非常に楽なセッション形式だ。
 で、選ばれたのが上記のテンプレート達。とりあえず、

  • ルネ・ヴィクトワール・エストレは領主の娘。3年前に殺人容疑をかけられたが、ゲルト・ネッツァーが証拠の矛盾を発見して無罪となった。なので、彼にその恩義を感じている。
  • キュプロはルネ・ヴィクトワール・エストレに使える従者で彼女を崇拝している。幼い頃から醜悪な自分を恐れる事無く接してくれた彼女を守るために昔から裏で色々と暗躍する。
  • ゲルト・ネッツァーは10年前に出した死刑判決の対象は処刑後に無実だった事が判明した。で、その間違いを正すために真犯人を未だに追っている*3。ちなみに、その犯人はキュプロであり、ルネ・ヴィクトワール・エストレの住む領地、ひいては彼女を守るために暗躍した。


という事にする。
 そして、今回出てくる魔族をランダムで決めたら「虫の王コンスレイ」になった。なのでキュプロは若い頃にコンスレイを崇める「天の甘露教団」にいた事にする。というのも、この教団は信徒を差別しないので、彼は居心地が良かったのだろう*4。教団で教えてくれる呪文はテンプレート「醜悪なる従者」が持っている「虫の召喚*5」があるしね。ちなみに現在彼が教団にいないのは、教団があった所の領主に教団を壊滅させられたためじゃないかな。で、虫の王コンスレイはコンスレイで封印から解放されようと画策するわけだ。
 という事でセッション開始。今回はゲルト・ネッツァーが誤審をした10年前の犯人がエストレ領*6の貴族、もしくは貴族周辺にいる者であると嗅ぎ付けてこの領地に来たところからセッション開始。それを快く思っていないキュプロがゲルト・ネッツァーを始末しようと画策する。あ、ルネ・ヴィクトワール・エストレは徹頭徹尾「何も知らない領民思いの娘」だった。
 でまぁ、キュプロは超越幻視でコンスレイに出会い、非力な彼がゲルト・ネッツァーを排除するために「コンスレイの封印を破壊する代わりにゲルト・ネッツァーを亡き者にしてもらう」という条件で運命「魔族の走狗」を得る。ちなみに、コンスレイから与えられた針*7で特殊な血を受け継ぐ者を殺す事によって封印が破壊されるという事にする。で、その特殊な血を受け継ぐ者ってのがルネ・ヴィクトワール・エストレなんですな。彼女の運命「呪われた出自/女王」ってのは封印破壊の反動を激減させるものなので丁度良かろう。キュプロも「敬愛する姫様を生贄にしろと強要してくる魔族との精神戦」という状況になるしね。
 一方、ゲルト・ネッツァーも超越幻視で虫の王コンスレイに深淵にて出会う。コンスレイは「10年前の事件の真相を証明する物は残っていない。しかし、封印から解放してくれるならその証拠を深淵の奥底から拾い出してやろう」と持ちかける。しかし、ゲルト・ネッツァーはそれを突っぱねてコンスレイの不興を買う。そしてコンスレイに「お前の意志の力がどれほどの物か見せて貰おうか」と魔剣を与えられた*8。ちなみん、この魔剣はルネ・ヴィクトワール・エストレを殺してコンスレイを封印から解放しろとゲルト・ネッツァーを支配しようとするわけですな。
 という事で、クライマックスは「ルネ・ヴィクトワール・エストレを殺して封印から我を解放しろ」というコンスレイの精神支配がキュプロとゲルト・ネッツァーを苛むわけだ。しかし、2人とも頑張ってその精神支配に抵抗。キュプロが呪文「虫の支配」の反動で「叙事詩に残る一撃」を出す事によってわざと自滅してクライマックス終了。
 という事で、

  • 魔剣の支配に抵抗しながら生きていく事になったゲルト・ネッツァー。
  • キュプロのほぼ唯一の遺品であるローブを埋めて彼の菩提を弔うルネ・ヴィクトワール・エストレ。
  • 深淵に消えていく意識の中で誇らしげに「お前のために姫様は渡さない」とコンスレイに言い放つキュプロ。


というエンディングとなった。このゲームの「美しい物語を作る」というコンセプトらしい終わり方になったんじゃないかな。

*1:http://d.hatena.ne.jp/Taipei/20120812

*2:http://www.amazon.co.jp/dp/4757738889

*3:この世界にはおそらく時効はないだろうからね

*4:おそらく彼は「居心地がいいからいた」だけで魔族信仰自体はどうでもよかったんじゃないかな?

*5:ルールブックのコンスレイのところには「虫の支配」と書かれているが「虫の召喚」の間違いだと思う

*6:ルネ・ヴィクトワール・エストレの父親が治める領地ね

*7:ルールブックには書かれていない物。短剣サイズの針だが、武器として使える様な代物ではないと設定

*8:運命「魔剣」を得たという事だ