ラクシアにおける異端審問
「ソード・ワールド2.0*1」のルールブックII*2が発売された事で、「より効率的なパーティ構成」を考えるためにルールブックI*3を引っ張り出して読んでいた。で、「世界観を無視した作り方はダメだろう」と思って世界観部分を読んでいたら「“戦神”ダルクレム」の説明書き*4に凄いヤバイ事が書かれていた。それを掻い摘んで書くと、
- 人族でも信仰する者がいる。
- 異端者である。
- 官憲や冒険者に成敗される事も珍しくない。
ってなっている。
それって異端審問があるって書いてあるわけだよね?
ダルクレム信者を成敗する冒険者って、要するに「ウォーハンマー」の魔狩人みたいなもんだろう、きっと。いや、そうに違いない。
以前から「ラクシアには異端審問あるんじゃねぇ?」と思っていたが、ここにその説を裏付ける記述があった。
まぁ、SW2.0の神聖魔法には「ディテクト・フェイス」という呪文がある。これは、対象のプリースト技能レベルと信仰している神が判明するという物だ。しかし、記述には「対象はこの魔法を使われたことが分かります」とあるので、周知するのではなく術者のみに理解できるのだと思われる。つまり、どう判定しようと術者の胸先三寸。SW2.0にはプリースト技能の剥奪ルールはなかったはずなので、上司からの圧力で何とでも診断できる*5。もっと言えば、そもそもプリースト技能を持っている奴はエリートだろう。エリートが拷問吏になるわけねぇよな。
とい事で、ラクシアでは以下の様な方式で異端審問が行われると思われる。
- 一般市民の場合は異端審問部隊が容疑者を襲撃して捕らえる。貴族の様に武装している者に対しては、「神聖徴募隊」的な部隊が冒険者を強制徴募*6し、大人数を頼り容疑者を捕らえる。
- 仮に捕らえた時に冒険者が「ディテクト・フェイス」を使っても、「判断するのはお前達ではない」と一蹴されて終了*7。
- 捕らえられた容疑者は、拷問でダルクレム信者と強制的に認めさせる*8。
- 基本的にはプリースト技能の持ち主が容疑者に「ディテクト・フェイス」を使う状況は生まれない。もし、そういう状況が生まれてもしっかりした根回しをしていない限り*9、政治的圧力でダルクレム信者と判定される。
- という事で、容疑者として捕らえられたらまず間違いなく処刑*10。
処刑方法なのだが、ドワーフが炎に耐性があるので火炙りはないだろうな。まぁ、ドワーフ以外は火炙りにして、ドワーフは他の処置ってのはあるかもしれないが、為政者側としては一々変えるのは面倒臭い。なので、おそらく他の処刑方法を行っただろう。一番ありそうなのは磔刑*11だが、ダルクレムは人類の敵である蛮族が信仰する神。もっと見せしめ効果が高い処刑方法をとるだろう。となれば、受刑者の苦しみが長く続いて見せしめ効果も高い串刺し刑なんかが行われている可能性は高い。
という事で、SW2.0の公式世界観「ラクシア」には、「コボルドを使った奴隷制度*12」と「異端審問の末の串刺し刑」が普通にあるという事が判明した。おや、「ウォーハンマー」のオールドワールド並みに薄ら暗い世界観ではないですか。ステキッ!(笑)
*1:http://www.fujimishobo.co.jp/sw/
*2:http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200804000220
*3:http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200801000594
*4:ルールブックIの279ページ
*5:勿論、上司の指示に従わないとなれば司祭であっても異端審問の対象になるだろう
*6:断ったら異端審問対象者だ
*7:むしろ異端幇助として異端審問行きか?
*8:この辺は、実際の歴史において魔女狩りで行われていたからね
*9:そして、捕らえられる時点で根回しは失敗しているわけだ
*11:ちなみに「たっけい」と読む